主な研究内容

現在取り組んでいる主な研究テーマです.

バイオメトリクス認証に関する研究

Biometrics

スマートフォンやPCへのログイン,ATMを使って銀行口座からお金を引き出す,クレジットカードで買い物をするなど,日常生活のいろいろな場面で本人確認(技術的には個人認証と呼ばれます)が必要になる場面があります.現在,主に用いられている個人認証の方法には,以下の4種類があります.

  1. 所有物認証:カードや印鑑など,その人しか持っていない物を用いる認証方法
  2. 記憶認証:パスワードや暗証番号など,その人しか知らない情報を用いる認証方法
  3. 身体認証:顔,指紋,虹彩など,その人の身体にしかない特徴を用いる認証方法
  4. 行動認証:署名(サイン),歩様(歩き方),ジェスチャーなど,その人にしかできない動作を用いる認証方法

これらのなかで,身体認証と行動認証はまとめて「バイオメトリクス(生体)認証」とも呼ばれます.

署名(サイン)は現代の日本ではあまり普及していませんが,欧米諸国では古くから用いらている標準的な個人認証方法です.他の認証方法と同様に,署名照合にもいろいろな利点・欠点があります.署名照合の最も大きな問題は他の認証方法(例えば虹彩や指紋)に比べて認証の精度が低い点です.この問題の解決を目指して様々な研究を行なっています.

画像センシング技術の産業応用

Image Sensing

FA(Factory Automation)の普及およびディープラーニングに代表される機械学習技術の発展に伴って,生産工程における生産指示や生産管理の手段として画像認識技術に期待が寄せられています.私は地域の中小企業とのコラボレーションにより,画像解析・画像認識技術の産業応用に注力しています.

過去の研究の例として,画像中のロゴマークの検出・同定,太陽熱発電で用いられるヘリオスタットと呼ばれる反射鏡の高精度制御への画像解析技術を応用,食品工場において手作業で行われている果実選別作業の自動化,動画を用いた調理動作の認識,調理作業の段取り力評価に関する研究などがあります.

異分野とのコラボレーションを意識しつつ,画像センシング技術の産業応用を進めています.